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中国で企業が支払う税金の話(2013年9月更新版) [真的。]

うちの会社のような中小企業レベルの話です。

合資の企業や国営企業はよくわかりませんが、

今支払っている税金を列記します。

1)増値税

2)関税

3)印花税

4)教育付加税

5)都市建設税

6)法人所得税

7)業務税付加

1)は有名です。日本の消費税に相当します。
普通の企業は17%。
これには普通増値税などがあり、税率が6%とか7%とか
異なる税率があります。
だから日本が大騒ぎしている消費税率なんて
かわいいものです。
ちなみに輸出時、日本では消費税は不要ですが、
中国では、輸出でしっかり増値税をとります。
但し17%も課税すると明らかに輸出競争力が失われますから、
退税(戻し税)という措置があります。
輸出するものによって、この退税率が異なります。
私の会社の場合、製品の多くは13%の退税率です。

     数年前一部プラスチック成型品などの退税率をゼロにしたことがありました。

     これは、ダンピングなどと言われて

   輸出を制限した時に行われました。時には輸出規制に使われていたりします。


中国の輸出企業は、「提示した見積の利益率はたったの20%です」といっても、
実は17%をそのまま課税して見積もりを出してきますから、
退税という利益が別途入ります。
すなわち13%の退税率の製品なら、
税込100円の輸出品については、
計算上はあとで13円戻ってきます。
すなわち20+13=33円の利益があることになり、
利益率は33%なのです。

とはいっても、計算上まるまる戻してくるほど
中国の税務局は良心的ではなく、
かつ、戻ってくるのは3カ月~半年後。
※これは税務局関連のコンサルタント会社のようなものに手数料を

  支払ったケース

  もしケチれば、いつ戻ってくるか??
この手数料も一種の税金をといえます。

※この退税、日本的には雑収入で戻すとかそのまま退税という名目で

  利益に算入されそうに思います。実は私も思い込みで勘違いしていましたが、

      ただ、損益計算書上にはそういった項目はありません。
 銀行口座には当然戻ってきますが、数値が反映されるのは
バランスシート上のみです。

  なんとも不思議な処理です。
 損益表が赤字であっても、輸出企業は退税という裏利益といってもよい

  お金が残っているのです。

  ただ、額面通り13%戻ってくるわけではありません。

  いろいろテクニックがあるようです。


※来料加工貿易という方法がありますが、
実はあまりメリットがないようです。
それは、一定の利益率をキープしろと
税関から指導される(加工費をきちんとたくさん取れという指導)
ということもありますが、
さらに、現地企業にとっては、
①輸出品について、退税措置が受けられない。
まるまる17%増値税を税務署に徴収される。
②仕入れに課税されている増値税を控除できない。

②のほうが問題が大きいのですが、
結局、現地仕入材料の価格が税込となりますので、
材料原価が高くなり、
輸出価格を高めに出さざるを得ないということになります。

2)は説明不要ですが、輸入のブランド品は日本より高いです。
だから中国のお金持ちが海外に旅行に行くと
ブランド品を買いまくるという状況になります。

3)これは、おそらく日本の印紙税に相当すると思います。
金額はたかが知れていますが、名称から「何これ?」と驚きます。

4)これが企業で働く外地人(外来者)子弟のための教育税か?
とおもいきや、ただの教育という名前を冠した税金でした。

※今の中国は、全国同一の義務教育を
無料で受けられる体制ではありません。
本籍地主義というのでしょうか?
本籍がその地域にある人を本地人、
それ以外の人を外地人と区分けします。
そして義務教育については、
本籍地の本地人が無料で受けられ、外地人は受けられません。
無償の教育を受けたければ、
「本籍地に戻れ!」ということなのです。
面白いというか無神経というか、
さらにお金を払えば、
本地人と同じ学校に行けるのではなく、
違う私立の学校に行かなければなりません。

  ※最近は、親が当地で社会保険料とか払っているなど

 
 一定の条件を満たせば、効率に入れるようです。(当然第一子のみ)

   しかし今年2013年の小学校入学(9月)は異常でした。

   小学校のキャパシティを大幅に超えた外地人の入学者がいたのです。

   5000人以上の子どもが入学できないなんて状況になったのです。

   去年までは特に問題はなく、上級学年にも余裕があり、

   一年生のみの現象でした。

 

 

  

5)これは文字通りの都市建設税です。

6)法人所得税率は25%と日本より安くなっていますが、
ほかに支払わされている税金を計算すると、
企業の支払う税金の総額は決して安くはありません。
最大の特徴は前払いということです。
決算後に払えばよいのではなく、
期の途中で、黒字が出ていれば徴収されます。

決算が赤字あるいは業績が悪化し決算時の利益が少なくなれば、
当然税金の払いすぎが発生します。
ところが精算され、払いすぎた所得税が戻ってくるのは、
半年後になるとのことです。

※ちなみに優遇措置はすでになくなっています。


 

7)これが一番アヤシイ税金と私は思います。
顧問の会計士に説明してもらったところ、
「税内税という。」
ともっともらしく説明されました。
国税ではなく地方税で、
地方政府で自由に設定できるとのこと。
私のいる海辺の街は7%とか。
では何の税の中に発生する税金かというと、
前述の増値税の退税。
ようやく戻ってきた増値税の還付金に対し、
7%を課税されてしまいます。
2009年くらいから目立つようになりました。
ちなみに、これは企業の利益に関係のない税金で、

  毎月の輸出金額と仕入金額の比率の差が大きいとがっぽり持ってかれ、

  払い過ぎても、後で調整はなしです。

  なぜ・・・?というと、

  税理士の話では、

  本来戻ってこない増値税の還付金に課税なのだから構わない!

  (なんという屁理屈・・と言いたくなりますよね)

8)売上税は、1%とか。これから課税されるらしいです。
利益に課税されるわけではないので、
これもコストとしてとらえる必要があります。

税金ではないですが、ほぼ税金といってもよいもので、
地域によってはかなりの経費増になるものがあります。
日本でいう社会保険です。
ちなみに上海市はとても高いと聞いていますので注意が必要です。

日本の税務署も「とれるところからとる」
ということで批判がありますが、
中国の税務署はもっと「えぐい」ですね。
彼らの精神構造が、先ずお役所が民間企業に対してもボスであるという感覚。
取れるところから国家のための税金を徴収するというのではなく、
自分たちの懐を潤すために、とれるところから取る。

というスタンスといっても過言ではないでしょう。


「税は国家なり」といいますが、

その点からみると、とても残念ですが

まだ、この国は、きちんとしていない国家ということが言えそうです。


 


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